マティアス・ゲルネ(バリトン)

マティアス・ゲルネは、その温かく流麗なバリトンの声と深い楽曲解釈により、世界中から賞賛を得ている。リート歌手として高い尊敬を集めている彼は、ニューヨークのカーネギーホール、ロンドンのウィグモア・ホールといった一流のホールに頻繁に招かれており、ピエール・ロラン・エマール、レイフ・オヴェ・アンスネス、アルフレード・ブレンデル、クリストフ・エッシェンバッハ、エリザベス・レオンスカヤといった高名なピアニストたちが音楽上のパートナーである。
2008年から2011年にかけては、シューベルトの傑作歌曲を自身が選び、全11枚に及ぶCDに収めると同時に(ハルモニア・ムンディ)、世界各地の重要なホールで全11回のリサイタルシリーズを行なう。
オーケストラとの共演においても高い賞賛を集めており、世界的なオーケストラ、指揮者と有名なコンサートホール、音楽祭に登場している。2007/08年シーズンは、ザルツブルクとルツェルン音楽祭での出演に続き、ヨーロッパ、ブラジル、アメリカ、日本を訪れたほか、ニューヨーク・フィル、サンフランシスコ響、パリ管など多くのオーケストラと共演を重ねた。 
オペラ歌手としての人気も高く、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場、ロンドンのコヴェントガーデン・ロイヤル・オペラハウス、マドリッドのレアル劇場、ドレスデン・ゼンパーオーパーなどのほか、ザルツブルク音楽祭、日本のサイトウ・キネン・フェスティバルにも出演。選び抜かれたレパートリーは、モーツァルト『魔笛』のパパゲーノやワーグナー『タンホイザー』のヴォルフラムから、アルバン・ベルク『ヴォツェック』やアリベルト・ライマン『リア王』でのタイトル・ロールにまでおよぶ。2006/07年シーズンは、チューリヒ歌劇場で『低地』のセバスティアーノ、ベルリン・ドイツ・オペラで『トリスタンとイゾルデ』のクルヴェナルを歌っている。2007/08年シーズンは、パリ国立オペラで『タンホイザー』のヴォルフラム、フィレンツェ5月音楽祭で『エレクトラ』のオレストを、いずれも小澤征爾のもとで歌った。
数々の録音も残しており、その多くが権威ある賞に輝いている。最近のレコーディングとしては、パリ管弦楽団とのツェムリンスキー『抒情交響曲』、エリザベート・レオンスカヤとの『シューベルト歌曲集』があり、08年春からは全11枚の完成を目指す『ゲルネ/シューベルト・エディション』(ハルモニア・ルンディ)のリリースが始まっている。
2001年夏、ゲルネはロンドン王立音楽アカデミーの名誉会員に指名された。2001年から2005年まで、彼はデュッセルドルフ・ロベルト・シューマン音楽大学の歌曲科教授として教鞭を執った。
ドイツ・ワイマール生まれ。ライプツィヒでハンス=ヨアヒム・ベイヤーに、さらにエリザベート・シュワルツコップフ、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウに師事した。

(2009年3月)